1. 主要ページへ移動
  2. メニューへ移動
  3. ページ下へ移動

研究施設の引っ越し.com

記事公開日

賃貸オフィスのラボ化は可能?進め方やポイントを解説!

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「手狭になった研究室を拡張したいが、新築や大規模な自社ビル建設は費用も時間もかかりすぎる」
「都心部で通勤しやすい立地に、研究開発拠点を新たに構えたい」

近年、こうした課題を解決する選択肢として「賃貸オフィスのラボ化」が注目を集めています。
既存のオフィスビルやテナントを実験・研究スペースへと改修することで、新築よりも短期間・低コストでラボを立ち上げられる可能性があります。

しかし、通常のオフィスとは異なり、電源・給排水・給排気といった特殊なインフラ整備や、耐荷重・耐震性能、薬品や特殊装置への対応など、クリアすべき条件は多岐にわたります。

そこで、本記事では、賃貸オフィスをラボ化することは実際に可能なのか、その進め方や物件選定のポイント、注意すべき設備要件について解説します。

研究室設計の最適解とは?の資料ダウンロードページへのリンクバナーです。
研究室設計の最適解とは?の資料ダウンロードページへのリンクバナーです。

賃貸オフィスのラボ化とは?

賃貸オフィスのラボ化とは、既存の賃貸オフィスビルやテナントスペースを改修し、実験・研究に必要な機能を備えたラボ(実験室・研究室)として活用することを指します。

事務作業を前提に設計された空間を、化学実験や機器分析、試作開発などが行える環境へと作り変えるプロジェクトです。

「賃貸ラボ」が注目される背景

近年、製造業の研究開発部門やスタートアップ企業、大学発ベンチャーなどを中心に、賃貸オフィスをラボ化するニーズが高まっています。

背景には以下のような要因があります。

  • 研究開発のスピードアップが求められ、新築ラボの建設を待てない
  • 都心部やアクセスの良い立地に研究拠点を構え、優秀な人材を確保したい
  • 事業拡大や新規プロジェクト立ち上げに伴い、既存研究室が手狭になった
  • 初期投資を抑えつつ、必要な期間だけ研究スペースを確保したい

こうしたニーズに対応する形で、オフィスビルの一部やワンフロアをラボ仕様に改修する「賃貸ラボ」という選択肢が広がりを見せています。

賃貸オフィスのラボ化と新築ラボ建設の違い

新築でラボを建設する場合、土地取得から設計・施工までに1年以上かかることも珍しくなく、初期投資額も高額になりがちです。
一方、既存の賃貸オフィスをラボ化する場合は、建物の躯体をそのまま活用できるため、工期短縮とコスト圧縮が期待できます。

ただし、賃貸オフィスは元々研究施設として設計されていないため、電源容量や給排気設備、耐荷重などの面で制約を受けることがあります。
そのため、物件選定の段階から「ラボとして改修可能かどうか」を見極める専門的な視点が欠かせません。

賃貸オフィスをラボ化するために満たすべき7つの条件

賃貸オフィスをラボとして機能させるためには、通常のオフィス仕様とは異なる、いくつかの重要な条件をクリアする必要があります。

ここでは代表的な7つの条件を解説します。

1.インフラの必要条件を満たす(電源・給排水・給排気設備)

実験機器や分析装置の多くは、一般的なオフィスよりも大きな電力を必要とします。
既存の受電容量で足りるか、増設が可能かを確認することが第一歩です。

また、実験用の給排水設備や、薬品・溶剤を扱う際に必須となる給排気(ドラフトチャンバーなど)設備の設置スペースも検討する必要があります。

2.ダクトや配管・配線を適切に設置できる

排気ダクトや給排水配管、実験機器用の電源配線などを、天井裏や床下、壁面を通す必要があります。

ビルの構造上、配管ルートを確保できるか、既存の梁や設備配管と干渉しないかを事前に確認することが重要です。

3.ビル屋上に排気システムを設置できる

化学実験を行う場合、有害なガスや臭気を屋外に排出するための排気システムが必要です。
この排気は多くの場合、ビルの屋上まで配管を通して排出することになるため、ビルオーナーの承諾や屋上使用に関する調整が不可欠です。

また、近隣への臭気・騒音への配慮も欠かせません。

4.効率的な搬入出動線を計画する

大型の実験装置や薬品・ガスボンベなどを搬入出する際には、エレベーターの積載量やドアサイズ、共用部の動線を考慮する必要があります。搬入経路が確保できない場合、装置の設置自体が困難になるため、早い段階での確認が重要です。

5.十分な事故・災害対策を計画する

薬品の漏洩や火災、地震などの緊急時に備え、消防法や労働安全衛生法に準拠した安全対策が求められます。

防爆仕様の電気設備、緊急シャワー・洗眼設備、薬品保管庫の設置など、研究内容に応じた対策を計画段階から盛り込む必要があります。

6.建物の耐荷重・耐震性が十分である

分析機器や大型装置は重量があるものが多く、床の耐荷重を超えてしまうと設置できません。

特に、精密機器の場合は振動対策も重要になるため、建物の構造計算書などを確認し、耐荷重・耐震性能を事前に把握しておく必要があります。

7.特殊な実験装置・機器に対応できる

恒温恒湿設備やクリーンルーム、超低温冷凍庫など、研究内容によっては特殊な環境条件が求められる装置を導入するケースもあります。

こうした装置の設置には、専用の電源・空調・防振対策などが必要となるため、事前の要件整理が欠かせません。

賃貸オフィスのラボ化を進める手順

賃貸オフィスをラボ化する際は、以下の5つのステップで進めるのが一般的です。

Step1:要件定義(必要な設備・実験内容の洗い出し)

まずは、どのような実験・研究を行うのか、必要な設備・機器は何か、想定する人員数や作業動線などを整理します。

この段階での要件定義が曖昧だと、後工程で大幅な設計変更が発生するリスクが高まるため、研究室長や工場長など現場を熟知した担当者を中心に、綿密なヒアリングを行うことが重要です。

Step2:物件選定・現地調査

要件定義をもとに、条件に合う物件を選定します。電源容量、天井高、床荷重、排気ルートの確保可否などを現地調査で確認し、ラボ化が可能かどうかを技術的な視点から判断します。

この段階で設計事務所や施工会社など専門家の同行を依頼すると、より精度の高い判断が可能になります。

Step3:設計・改修計画の策定

物件が決まったら、具体的な設計に進みます。

ラボレイアウト、設備配置、配管・ダクトルート、電気容量の設計などを行い、建物所有者(オーナー)との協議や、必要に応じて建築確認申請などの手続きを進めます。

Step4:工事・設備導入

設計が確定したら、内装工事や設備工事を実施します。

ドラフトチャンバーや排気システム、給排水設備、電気設備などを設置し、必要に応じて消防設備の増設や届出も行います。工事期間中は近隣テナントへの配慮も必要です。

Step5:機器移設・引越し・稼働開始

工事完了後、実験機器や什器を搬入・設置し、動作確認を行います。
既存の研究室から機器を移設する場合は、精密機器の輸送計画やキャリブレーション(校正)作業も必要になるため、専門業者との連携が欠かせません。

すべての確認が完了したら、ラボとしての本稼働を開始します。

賃貸オフィスのラボ化を成功させるポイント

早い段階から専門家に相談する

ラボ化を成功させるには、物件選定の初期段階から、設計事務所や施工会社、設備業者など、ラボ設計の実績を持つ専門家に相談することが重要です。

物件契約後にラボ化不可と判明するケースを避けるためにも、内見・契約前の技術的なチェックが欠かせません。

将来的な拡張性を見据えた計画にする

研究内容や事業規模は今後変化する可能性があります。

現時点で必要な設備だけでなく、将来的な機器増設や人員拡大にも対応できるよう、電源容量や配管ルートに余裕を持たせた計画にしておくことが望ましいでしょう。

法規制・安全基準への対応を怠らない

消防法、労働安全衛生法、建築基準法など、ラボ運営には多くの法規制が関わります。

特に、薬品や特定化学物質を扱う場合は、届出や許認可が必要になるケースもあるため、法規制への対応を専門家と共に確実に進めることが、後々のトラブル回避につながります。

賃貸オフィスのラボ化に関するFAQ

賃貸オフィスのラボ化について、よく寄せられる質問と回答をまとめました。

Q1.すべての賃貸オフィスをラボ化できますか?

A1.建物の構造や設備仕様によっては、ラボ化が難しい物件もあります。

特に、耐荷重や排気ルートの確保が困難な物件は注意が必要です。
契約前に専門家による現地調査を行うことをおすすめします。

Q2.ビルオーナーの許可はどこまで必要ですか?

A2.排気設備の屋上設置や、給排水・電気容量の増設など、建物の共用部や躯体に関わる工事は、ビルオーナーの承諾が必須です。

契約前の段階で、ラボ利用を前提とした交渉を行うことが重要です。

Q3.退去時の原状回復はどうなりますか?

A3.賃貸借契約の内容によりますが、多くの場合、退去時には設置した設備を撤去し、原状回復を行う義務があります。

契約時に原状回復の範囲や費用負担について、事前に確認しておくことが重要です。

まとめ

賃貸オフィスのラボ化は、新築でのラボ建設と比較して、短期間・低コストで研究開発拠点を構築できる有効な選択肢です。
一方で、電源・給排水・給排気といったインフラ整備や、耐荷重・耐震性能、搬入出動線の確保など、クリアすべき条件は多岐にわたります。

成功のカギは、物件選定の初期段階から専門家に相談し、要件定義を丁寧に行うことにあります。
将来的な拡張性や法規制への対応も見据えながら、計画的にプロジェクトを進めることで、限られた期間・予算の中でも、機能的で安全な研究開発拠点を実現できるでしょう。

研究施設の設計・移転はお任せください

分析・測定・制御機器の販売およびコンサルティングを事業展開している江田商会が、研究室の移転に伴う、研究機器・設備周りの配線や研究室デザイン、内装・設備工事など、移転に必要な作業をすべて請け負います。

研究室設計の最適解とは?の資料ダウンロードページへのリンクバナーです。
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
研究室設計の最適解とは?の資料ダウンロードページへのリンクバナーです。

Contact

お問い合わせ

お見積りのご相談から、必要な手続きの相談・移転に合わせた機器廃棄・新設まで
幅広くお受けいたします。